TOKYO MXなどで絶賛放送中のアニメ『魔女の旅々』。この記事ではネタバレありの感想などを交えながら、第9話について掘り下げていきたいと思います。第8話『切り裂き魔』では人形だらけの国でイレイナがショートカットになったり、新キャラのシーラが登場したりしました。第9話は久しぶりとなる暗い展開になっています。

魔女の旅々9話『遡る嘆き』あらすじ
金欠のイレイナは、お金儲けの甘言に釣られて
「薫衣の魔女」エステルに会う。 彼女は親友の不幸な結末を変えるため、魔法で過去に
戻ろうとしていた。 2人は10年前の街で、悲劇の始まりとなる事件を
阻止しようと奔走する。
美味しそうなウインナーなど屋台が並ぶ街角で、『ぐーっ』っとお腹を鳴らしながら座り込む一人の魔女。
『魔女の旅々』第9話はオープニングなし。お腹がすいたことと金欠で、ため息をついているイレイナの哀愁とともに本編がスタートします。
魔女の旅々9話『遡る嘆き』ネタバレストーリー
お財布の中身はスッからかん。「どうにかしてお金を稼がなきゃいけませんね・・・」何気に今まで触れられてこなかった、イレイナさんの懐事情。旅人ということで定職に付いていないこともあり、やはり浮き沈みがあるようです。
するとイレイナの足元に1枚のチラシが風で飛んできました。そこには【超短期間働ける魔法使い大募集!大金を稼ぐチャンスです。興味がある方はいますぐ以下の住所まで。】屋台でご飯も食べられないイレイナさん。当然のように食い付きます。


引用:魔女の旅々公式サイト
このチラシを書いた依頼人は、薫衣の魔女エステルと呼ばれる女性でした。
あまりに本音すぎるイレイナに戸惑いながらも、エステルは「まあいいや・・・。やる気がなくても魔女は魔女だし」と流します。ツッコミがいるアニメなら「まあいいのか!」と入ってそう。
「で、結構若いようだけれどいくつ?」とエステルがイレイナに質問します。「今年で18歳です。」とイレイナさらにここからマウントの取り合いがスタート。この間イレイナさんはずっとクマさん模様のクッキーを食べてます。もぐもぐと。


引用:魔女の旅々公式サイト
マウント対決はイレイナに軍配が上がった?ところで、チラシに書いてあった仕事の話を切り出します。「それでお仕事の報酬とは?」いきなりお金の話から始めるイレイナに呆れつつ、エステルは成功報酬として袋いっぱいに入ったお金を提示します。成功すれば全て報酬と聞いて思わず驚くイレイナ。
金!
#majotabi pic.twitter.com/cfYdRGlaOU— shana.zonu@づほの格納庫弄り隊 (@shana_zonu) November 27, 2020
と口調も変わります。しかしそうなってくると気になるのは仕事内容です。エステルが提示した依頼内容は『イレイナにお供をしてもらう』というものでした。「どこに?」と聞くと「その前に」と前置きした上で、この国の人なら誰でも知っている事件の話は知っているかとエステルが尋ねます。
知らないイレイナに対してエステルが説明を始めました。遡ること10年前。エステルの幼なじみで親友でもある、セレナ一家が住んでいる自宅で事件が発生。ここからセレナの運命が変わって行きます。その後、大人たちに振り回されたセレナは、社会に失望したのち姿を消しました。
本物の姉妹のように仲が良かったという2人、エステルの部屋にはセレナとの写真が飾られています。しかし魔法留学をしていたエステルが時計郷ロストルフに戻ってくると、かつての仲良かった頃のセレナの姿はなく別人のようになっていました。そして今から3年前にエステルがセレナに対して手を下しています。


引用:魔女の旅々公式サイト
一連の流れを聞いたイレイナが「その話は私がお供していく場所と、どのような関係があるのでしょうか?」と尋ねると、「あの子を救ってあげたい。だから一緒に来て欲しい。」とエステルは返答。そして行き先は10年前であると告げます。
エステルは時を遡るための魔法を研究していました。しかしそのためには膨大な魔力が必要です。10年前に遡ると魔力を使い果たしてしまうため、10年前の世界でエステルは魔法が使えなくなってしまうそう。エステルは魔力を共有できる指輪を持っていました。
この指輪で魔力を共有することで、エステルはイレイナの魔力で魔法を使うことができる仕組み。『お供』とはこういう意味だったんですね。改めて依頼をするエステルに対して、「私、旅人なものですから10年前のこの国というものに少しだけ興味があります!(指輪をはめながら)」とイレイナ。


引用:魔女の旅々公式サイト
この瞬間に依頼が成立しました。早速実行に移るエステルとイレイナは10年前の時計郷ロストルフへと遡ります。『魔女の旅々』第9話の冒頭と同じようにイレイナの足元に新聞が風で飛んでくると、そこに書かれている日付は10年前。


引用:魔女の旅々公式サイト
信じられない様子のイレイナですが、時を遡るタイムスリップは成功していました。ここでエステルがタイムリミットは1時間と新情報を発表。18時の鐘が鳴ると10年後に戻ってしまいます。
驚くイレイナですがエステルは十分足りると語り、ホウキに乗って飛び立ちます。作戦内容をエステルから聞いていたイレイナは、作戦が成功したら10年後に戻ったときには随分と変わっていそうとポツリ。ところが「そうはならない」とエステル。
10年前に行って過去改変を行ったとしても、エステルとイレイナが戻る10年後は過去改変は起きなかった世界。そして改変された世界は別の時間軸として存在する(並行世界)とのこと。「あのー、大変失礼ですけど。それって意味あるんですか?」とイレイナ。
あ、ちゃんと戻れるのね #魔女の旅々 #majotabi pic.twitter.com/BAleMnADUV
— 十文字@Qoo (@juumonjiatmqoo) November 27, 2020
そんな話をしているとエステルは買い物途中で歩いていた10年前のセレナを見つけ、急いで地上へと降り立ちます。困惑するセレナと泣いているエステル。しかしセレナは10年後のエステルだとは気づいていません。「怪しかったよね、ごめん。」と話すエステルにセレナが一言。
まさかの毒舌キャラでした。「お姉さんは未来から来た人だよ〜」とエステルが話すと、完全にヤバい奴が来たとばかりにドン引きのセレナ。そりゃそうですよね(笑)。


引用:魔女の旅々公式サイト
そして作戦が始まるとトントン拍子に予定通り進行します。イレイナは建物の陰から様子を見ていますが、作戦通りだと戻ってくるはずのエステルが戻ってこない。様子を見に行ったイレイナは、そこで10年前の真相を知ることになります。
あ・・・
#majotabi pic.twitter.com/YKzHLithsv— shana.zonu@づほの格納庫弄り隊 (@shana_zonu) November 27, 2020
エステルは10年前に怪しい男が居たとイレイナに説明していました。運命が変わってしまうきっかけはその男だったと。しかしそんな男は最初から存在しなかったのです。すべてはセレナによるものでした。幸せな一家というのは建前で、実は家庭内は問題だらけだったと語るセレナ。さらに、
と続けます。親友で姉妹のように仲が良いと思っていたのはエステルだけで、セレナはエステルのことを何とも思っていませんでした。事実を知ったエステルは騙されたと激怒し、3年前と同じ結末を迎えます。
18時の鐘が鳴りエステルとイレイナは、10年後の時間軸へと自動的に再び戻ることに。しかしエステルはイレイナの事はかろうじて覚えているものの、セレナのことは「誰?」と全く覚えていません。エステルは記憶を代償に、セレナに対して魔力を使っていたのでした。
1秒でも早くこの場から逃げ出したくなったイレイナ。働いて得るはずだった報酬も放置し、エステルの自宅を飛び出します。未熟で無力な自分を悔いながら、街角のベンチで泣き崩れるイレイナと共に時計郷ロストルフが舞台の『魔女の旅々』第9話はエンディングです。


引用:魔女の旅々公式サイト
魔女の旅々9話の感想「エステルはこの先・・・」
魔女の旅々第8話はそれまでの放送でもトップクラスのギャグ回でした。さらに第5話から7話までもポジティブな明るい展開が続いていた中で、今回の第9話は第3話を上回るようなバッドエンド展開。このギャップもまた魔女の旅々という作品が持つ魅力の一つなのでしょう。
ニケの冒険譚を読んで魔女を志し旅に出たイレイナ。第3話で出会ったニノに対しては、あくまで旅人であり第三者という立場を崩さなかったイレイナ。第4話の王女ミラロゼに対しても、同じく立場を崩しませんでした。
しかし魔女の旅々第9話『遡る嘆き』では、「金欠でお腹が空いていた」という理由から直接的に関わります。初めて描かれたイレイナが深く介入する出来事。そしてこの先何年・何十年と生きていく中で、イレイナにとって忘れられない1時間となったはず。我関せずで飄々としているイレイナが大きな声を出して泣いてしまうほどの経験は、たった1時間で起きたことでした。


引用:魔女の旅々公式サイト
そしてセレナを忘れたエステルですが、戻った世界は元々いた時間軸。セレナが存在しなかった世界などではありません。イレイナが出て行ったあと、エステルがどういった日々を送るのか。時計郷ロストルフでは事件のことを誰もが知っています。10年という時間を遡って過去を改変した結果、元々よりも状況は好ましくないことになった。その後はあまり想像したくありませんね・・・。
魔女の旅々10話『二人の師匠』
魔女の旅々第10話は予告編にニケもしくはイレイナの母親、第8話に登場したシーラ、イレイナの師匠であるフランが登場します。タイトルは『二人の師匠』フランだけでなくシーラもニケの弟子だったんですね。シーラがイレイナに興味を持ったのは、師匠ニケの面影を感じたからなのかもしれません。
魔法統括協会から依頼を受けたニケは「報酬はいくら?」と食い気味に質問し、「わかりました」とシーラ・フランにその依頼を任せます。このいきなり報酬を聞くのは第9話のイレイナとそっくり。母親譲りだったことが判明しました笑。第10話は平和な雰囲気となりそうです。
魔女の旅々9話『遡る嘆き』まとめ
魔女の旅々第9話は「働かずに稼ぎたい」とイレイナがダメ人間のような本音を話していた序盤から、最後の怒涛の展開まであっという間でした。その国に触れることは楽しいことばかりではない。そのことはイレイナも重々に知っていたはずですが、時計郷ロストルフではさらに深く思い知ることになりました。
それと同時にイレイナが最後に泣いていたのは自分の未熟さから。この部分こそがイレイナの強さじゃないかなと思います。もっと魔女として優秀なら変わっていたかもしれない。こうした積み重ねがイレイナを魔女として成長させていくことは間違いないでしょう。
全12話となっている魔女の旅々は残り3話。イレイナが次に見せてくれる表情が、前向きなものであれば嬉しいですね。もう一度エステルの物語を見返したい場合は、動画配信サービスで無料視聴することが出来ます。詳しい方法は各話の感想記事と共にまとめてありますので、ご確認ください。
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